ヤクルト一筋で20年プレーし、2015年に首位打者を獲得した川端慎吾内野手(37)が27日、東京都内の球団事務所で記者会見し、今季限りでの引退を表明した。
市和歌山商高(現市和歌山高)から高校生ドラフト3巡目で06年にヤクルト入り。巧みなバットコントロールが持ち味で、15年には打率3割3分6厘、195安打で首位打者と最多安打のタイトルに輝き、リーグ優勝に貢献した。現役終盤は代打で活躍。21年の日本シリーズでは、第6戦でチームを20年ぶりの日本一に導く決勝打を放った。
通算1326試合の出場で1099安打をマークし、打率2割9分3厘、40本塁打、409打点。(成績は26日現在)。[ 9/27(土) 12:22配信 時事通信 ]
巧みなバットコントロールが持ち味。2015年首位打者と最多安打のタイトル獲得。天才と称される一方,度重なるけがに悩まされ”ガラスのプリンス”と称されることも。20年の野球人生を振り返りたい。
5.川端慎吾(2012-2025)←36.(2006-2011)
市和歌山商高校から2005年高校生ドラフト3巡目指名。大型遊撃手の期待も込められ,池山隆寛の引退から3年間空き番号となっていた背番号「36」が与えられた。
高卒新人ながらドラフト1巡目指名の村中恭兵とともに2006年浦添キャンプに抜擢された。10月9日中日戦(神宮)で一軍初出場。高卒新人野手の一軍出場はチームでは1987年土橋勝征以来19年ぶり。10月10日広島戦(神宮)でプロ初安打,初打点を記録。お立ち台にもあがった。
2007年は内野手の城石憲之や宮本慎也の故障離脱に伴って一軍登録される期間があった。8月22日に左手薬指を骨折。この年の実戦復帰はフェニックス・リーグになってしまう。
2008年自身初の開幕一軍入り。10月7日中日戦(神宮)でプロ初本塁打。
2009年春季浦添キャンプで右肩を痛めリタイア。一軍昇格は5月19日。再び右肩痛を訴え8月22日に一軍登録抹消。
2010年開幕から阪神からFA入団の藤本敦士,新人の荒木貴裕,3年目の鬼崎裕司がショートのポジションを守ってきたが,小川淳司監督代行の就任以降ショートのレギュラーとして抜擢され,チームの後半戦の大躍進”メイクミルミル”に貢献した。

2011年開幕戦で川島慶三が死球を受け骨折したこともあり,レギュラーの座を完全に射止めた。シーズン中盤までは主に7番を任されていたが,中盤以降は3番として起用されるようになり,自身初の規定打席にも到達。

しかしシーズン最終盤の10月19日左手左手首靭帯等損傷で登録抹消。戦線離脱を余儀なくされ,クライマックスシリーズに出場することは出来なかった。オフにアーロン・ガイエルの退団で背番号は「5」に変更された。


2012年開幕からクリーンアップを託され125試合に出場。打率.298,4本塁打,49打点の成績。ショートだけでなくサード・ファーストでの起用も増えていった。
2013年浦添キャンプ第1クールで脊柱起立筋肉離れによりリタイア。4月22日には左足首関節を手術に踏み切り,一軍復帰は7月9日だった。規定打席未到達ながら打率.311をマーク。9月には自身初となる月間MVPを獲得。

オフには「2013 BASEBALL CHALLENGE 日本 VS チャイニーズ・タイペイ」の日本代表にも選出された。

2014年は142試合に出場。打率.305,自己最多となる10本塁打を放った。

2015年は真中満監督の構想で2番打者として起用され,リーグトップの195安打,打率.336で首位打者を獲得。チームの優勝に貢献。オフには第1回WBSCプレミア12の日本代表メンバーにも選出。推定年俸1億6000万円の4年契約を結び,選手会長に就任した。
2016年7月18日DeNA戦(神宮)自打球で右舟状骨骨折。一ヶ月半ほど離脱を余儀なくされたが,103試合の出場で打率.302。

2017年春季キャンプ中に椎間板ヘルニアを発症。リハビリを続けるも,症状が悪化し8月に手術。プロ12年目にして初めて一軍出場なしに終わる。


2018年開幕スタメンに名を連ねたが, 4月3日広島戦(神宮)で今村猛から頭部死球を受け,翌日脳震盪特例で登録抹消。

復帰後調子が戻らず5月21日再調整のため登録抹消。6月6日に一軍復帰。

7月21日中日戦(神宮)で自身初のサヨナラ本塁打。8月14日巨人戦(神宮)で逆転サヨナラタイムリー。規定打席には届かず,打率も.259に終わったが,要所で勝負強さを見せた。オフには燕市にも来燕してくれた。


2019年4月20日中日戦(ナゴヤドーム)で柳裕也から通算1000安打。9月4日広島戦(神宮)で通算1000試合出場。節目の記録を達成したが,腰の状態が思わしくなく, 37試合の出場に留まり打率も.164。4年契約の最終年を終え,年俸は限度額を超える1億円減の4000万円を提示された。
2020年7月25日巨人戦(神宮)2年ぶりとなるサヨナラタイムリーを放つなどしたが,出場は39試合。打率.128。2年続けて限度額を超える50%減で年俸は2000万に。

ここから不死鳥のように蘇った2021年。代打として起用されてはヒットを量産していく。

3月30日DeNA戦(横浜)で決勝打。6月20日中日戦(神宮)で2年ぶりとなる決勝本塁打など勝負を決める一打など,いつしか”代打の神様”の異名が定着。2007年真中満に次ぐ代打におけるシーズン30安打。打率.372,出塁率.419。オリックスとのSMBC日本シリーズ第6戦(ほっともっと神戸)の延長12回表。吉田凌から勝ち越しタイムリーを放ち,チーム20年ぶりとなる日本一は川端のバットで決まった。


2022年5月21日横浜戦(横浜)で2020年8月28日以来となるスタメン起用もあったが,調子が上がらず7月4日に一軍登録抹消。9月16日再登録も,打率.175と低迷した。
2023年開幕一軍は逃したが,4月4日に一軍登録されると,再び代打の切り札として勝負強さを発揮。代打安打数はリーグトップの20本。打率.319,出塁率.385。6月1日日本ハム戦(エスコンフィールド)では「3番・DH」でスタメン出場し,猛打賞もマークした。

2024年代打で61試合に出場したが,打率.224と思うような結果は残せなかった。

2025年開幕から一軍出場ないまま9月を迎えていた。ファームで故障なく一年を過ごしていたことが川端の結論を悩ませたようだが,「このへんで身を引くのが一番ベストではないかなと」現役引退が発表された。たゆまぬ努力と,類まれな打撃技術で通算1100本の安打を積み上げた天才。3度のリーグ優勝,2021年の日本一支えた功労者がまた一人ユニフォームを脱ぐことになった。
コーチへの就任が要請され,受諾する模様。川端2世になりうる田中陽翔や,伸び悩む武岡龍世,澤井廉,丸山和といった左打者の育成に期待がかかる。
| 年度 | 打率 | 試合 | 打席数 | 打数 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 得点 | 盗塁 |
| 2006年 | .190 | 6 | 23 | 21 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 |
| 2007年 | .100 | 9 | 13 | 10 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 |
| 2008年 | .260 | 65 | 115 | 104 | 27 | 4 | 0 | 1 | 9 | 11 | 2 |
| 2009年 | .270 | 30 | 42 | 37 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 |
| 2010年 | .298 | 59 | 214 | 188 | 56 | 12 | 1 | 1 | 21 | 22 | 0 |
| 2011年 | .268 | 117 | 457 | 399 | 107 | 20 | 3 | 4 | 46 | 48 | 0 |
| 2012年 | .298 | 125 | 507 | 453 | 135 | 15 | 5 | 4 | 49 | 52 | 3 |
| 2013年 | .311 | 70 | 312 | 267 | 83 | 7 | 2 | 5 | 37 | 36 | 2 |
| 2014年 | .305 | 142 | 637 | 580 | 177 | 33 | 2 | 10 | 69 | 86 | 2 |
| 2015年 | .336 | 143 | 632 | 581 | 195 | 34 | 1 | 8 | 57 | 87 | 4 |
| 2016年 | .302 | 103 | 458 | 420 | 127 | 22 | 1 | 1 | 32 | 48 | 3 |
| 2018年 | .259 | 97 | 334 | 297 | 77 | 9 | 1 | 3 | 31 | 22 | 1 |
| 2019年 | .164 | 37 | 67 | 61 | 10 | 1 | 0 | 0 | 7 | 5 | 0 |
| 2020年 | .128 | 39 | 42 | 39 | 5 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 | 0 |
| 2021年 | .372 | 91 | 93 | 86 | 32 | 5 | 1 | 1 | 18 | 8 | 0 |
| 2022年 | .175 | 52 | 64 | 57 | 10 | 1 | 0 | 0 | 7 | 1 | 0 |
| 2023年 | .319 | 80 | 105 | 94 | 30 | 3 | 0 | 2 | 16 | 4 | 0 |
| 2024年 | .224 | 61 | 61 | 58 | 13 | 0 | 0 | 0 | 6 | 1 | 0 |
| 2025年 | .500 | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 通算 | .293 | 1328 | 4178 | 3754 | 1100 | 168 | 17 | 40 | 409 | 439 | 17 |
【タイトル】
・首位打者:1回(2015年)
・最多安打:1回(2015年)
【表彰】
・ベストナイン:1回(三塁手部門:2015年)
・ゴールデングラブ賞:1回(三塁手部門:2015年)
・月間MVP:1回(打者部門:2013年9月)
・クライマックスシリーズセMVP:1回(2015年)
【記録】
・初出場・初打席:2006年10月9日中日戦(神宮)
・初先発出場:2006年10月10日広島戦(神宮)
・初安打・初打点:同上[大竹寛]
・初盗塁:2008年8月28日広島戦(広島)[大竹寛-石原慶幸]
・初本塁打:2008年10月7日中日戦(神宮)[小笠原孝]
・1000安打:2019年4月20日中日戦(ナゴヤドーム)[柳裕也]史上294人目
・1000試合出場:2019年9月4日広島戦(神宮)史上504人目
【その他】
・連続試合猛打賞:4(2014年7月30日 - 8月8日)※球団記録
・オールスターゲーム出場:2回(2015年・2016年)
52.原樹理(2025)←16.(2016-2024)
2015年ドラフト会議で山俊(明治大)の交渉権を外しての1位指名入団。ドラフト後の東都大学入替戦では今永昇太(駒沢大)と投げ合い,3試合で計285球を投じ母校東洋大学の一部昇格に貢献した。背番号は「16」。同姓の原泉がいたため,ユニフォームの背面ネームは「J.HARA」となった。


2016年開幕一軍入り。3月27日巨人戦(東京ドーム)でプロ初登板初先発。6回1失点で勝敗つかず。開幕からローテーションを守りながらも白星に恵まれなかったが,5月1日巨人戦(神宮)にプロ初勝利。6月29日広島戦(マツダ)で右肩の違和感を訴え途中降板。翌30日に出場選手登録を抹消。右肩甲下筋の肉離れの診断を受けた。1年目は2勝8敗,防御率5.91。

2017年6月15日東北楽天戦(神宮)でプロ初完投勝利。1年間を通して先発に中継ぎにフル回転。131
1/3投球回も防御率3.84,3勝11敗と大きく負け越した。
2018年前半に先発で結果を残せず中継ぎに回ることに。6月28日中日戦(神宮)山田哲人のサヨナラ本塁打でシーズン初勝利が転がり込んだ。再び先発転向した8月16日巨人戦(神宮)でプロ初完封勝利。30試合登板で6勝7敗,防御率3.09の成績だったが,井野卓とバッテリーを組んだ8試合には5勝1敗,防御率1.81と抜群の相性の良さを示した。
2019年4月9日広島戦(マツダ)で勝利投手。6月2日DeNA戦(横浜)にプロ初となる中4日先発登板。自己最速となる151km/hをマークするなど気迫の投球でチームの16連敗を止めてみせた。しかしその代償はあまりに大きかった…。ここから調子を落とし,6月19日にコンディション不良で登録抹消。そのまま登板なく12試合3勝7敗,防御率4.86でシーズンを終えた。
2020年も怪我の影響があり,5試合登板で2勝2敗,防御率5.19の成績に終わった。


2021年の初登板初先発となった7月10日広島戦(神宮)では,4回に上本崇司に頭部死球を与え危険球退場。それでも8月29日DeNA戦(東京ドーム)7回無失点でシーズン初勝利を挙げるなど,9試合登板のうち8試合に先発登板し,3勝1敗。47回を投げて被本塁打0,防御率2.30と安定した投球を続けた。

巨人とのクライマックスシリーズセファイナルシリーズ第3戦(神宮)にも先発したが,右手に打球を受け1
1/3回で降板。オリックスとのSMBC日本シリーズ第5戦(神宮)の先発も託された。いずれも勝ち負けつかず。
2022年6月29日広島戦(マツダ)でこれまでの自己最多に並ぶ6勝目。シーズン中盤にやや苦しむも,8月20日中日戦(バンテリン)で7勝目。公式戦最終戦となる10月3日DeNA戦(神宮)では中継ぎとして8勝目が転がり込み,自身のキャリアハイを更新した。


2023年はプロ初の一軍登板無し。二軍でも2勝6敗,防御率5.16と振るわず。2024年8月27日巨人戦(神宮)でおよそ2年ぶりとなる一軍登板を果たすと,そこからリリーフで7試合登板。勝ち負けつかずも,防御率は1.80と復調の兆しを見せた。
背番号が「52」への変更された2025年。ファームで34試合登板も防御率は7.32。戦力外通告となった。

「いつかはくることなので。それが今ということですね」「(球団と)いろいろな話をしたのが、さっきが初めてなので、それも含めてトータルで考えて、それを踏まえて考えないとな、というところ」と第2の人生へ踏み出すことになる。
| 年度 | 防御率 | 試合 | 勝数 | 負数 | セーブ | 投球回 | 被安打 | 被本塁打 | 三振 | 四球 | 死球 | 暴投 | ボーク | 失点 | 自責点 |
| 2016年 | 5.91 | 13 | 2 | 8 | 0 | 67 | | 80 | 4 | 33 | 25 | 5 | 0 | 0 | 45 | 44 |
| 2017年 | 3.84 | 26 | 3 | 11 | 0 | 131 | 1/3 | 133 | 19 | 115 | 34 | 6 | 2 | 0 | 66 | 56 |
| 2018年 | 3.09 | 30 | 6 | 7 | 0 | 110 | 2/3 | 102 | 3 | 93 | 31 | 3 | 5 | 0 | 48 | 38 |
| 2019年 | 4.86 | 12 | 3 | 7 | 0 | 74 | | 85 | 10 | 57 | 19 | 5 | 5 | 0 | 44 | 40 |
| 2020年 | 5.19 | 5 | 2 | 2 | 0 | 17 | 1/3 | 20 | 6 | 14 | 13 | 1 | 0 | 0 | 16 | 10 |
| 2021年 | 2.30 | 9 | 3 | 1 | 0 | 47 | | 45 | 0 | 25 | 12 | 4 | 1 | 0 | 14 | 12 |
| 2022年 | 4.85 | 22 | 8 | 7 | 0 | 107 | 2/3 | 132 | 14 | 52 | 32 | 5 | 1 | 0 | 59 | 58 |
| 2024年 | 1.80 | 7 | 0 | 0 | 0 | 10 | | 6 | 1 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 |
| 通算 | 4.14 | 124 | 27 | 43 | 0 | 565 | | 603 | 57 | 391 | 169 | 29 | 14 | 0 | 294 | 260 |
【記録】
・初登板・初先発登板:2016年3月27日巨人戦(東京ドーム)
・初奪三振:同上[長野久義]
・初勝利・初先発勝利:2016年5月1日、巨人戦(神宮)
・初完投勝利:2017年6月15日楽天戦(神宮)
・初ホールド:2018年6月19日ソフトバンク戦(神宮)
・初完封勝利:2018年8月16日巨人戦(神宮)
・初安打・初打点:2016年5月1日巨人戦(神宮)[高木勇人]