2019年12月29日

総括2019―2位からの躍進ならず再び最下位転落

はじめに
96敗の最下位から一気に2位へと再起したスワローズ。監督復帰2年目の小川淳司監督は4年ぶりの優勝を目指し「躍進」をチームスローガンに掲げた。迎えた3月29日阪神との開幕戦(京セラドーム)。小川泰弘が開幕投手を務め,高卒2年目村上宗隆が球団史上55年ぶり6人目・球団最速タイとなる野手の開幕スタメンに抜擢された。開幕連敗スタートとなったが,3戦目となる31日阪神戦(京セラドーム)で北海道日本ハムから交換トレードで獲得した高梨裕稔が移籍後初先発初勝利。しかしこの試合でリードオフマン坂口智隆が左手に死球を受け骨折。長期離脱を余儀なくされることなった。

本拠地での初戦となった4月2日DeNA戦(神宮)の先発を託されたのは原樹理。開幕スタメンを掴めなかった西浦直亨の執念のタイムリーで逆転勝利。3日DeNA戦(神宮)は3点ビハインドの8回裏に高井雄平の起死回生3ランで追いつき9回裏にサヨナラ勝ち。5日中日戦(神宮)では10年ぶりに復帰した五十嵐亮太が2009年10月7日横浜戦(神宮)以来の勝利投手に。6日中日戦(神宮)では延長12回裏2死から代打青木宣親が劇的なサヨナラ本塁打。10日広島戦(マツダ)では延長10回表に打者16人,本塁打なしの8安打。最後は代走で途中出場の田代将太郎の3点タイムリー三塁打で計12得点を奪い,延長での1イニング最多得点のプロ野球新記録を樹立。スコット・マクガフに来日初白星がついた。11日広島戦(マツダ)ではソフトバンクを戦力外になり加入した寺原隼人がソフトバンク時代の2017年5月7日ロッテ戦(ZOZOマリン)以来704日ぶりの勝利投手となり,マツダスタジアムでは2012年9月17-19日以来7年ぶりとなる同一カード3連勝。2015年シーズン以来1282日ぶりの単独首位に立つ。13日巨人戦(東京ドーム)で対巨人戦通算700勝目を挙げると,14日巨人戦(東京ドーム)で4カード連続勝ち越しを決め,球団では1997年以来22年ぶり3度目となる両リーグ10勝一番乗り。16日阪神戦(松山)では小川監督が球団史上3人目となる監督通算400勝に到達。20日中日戦(ナゴヤドーム)では川端慎吾が史上294人目の通算1000本安打を達成。25日巨人戦(神宮)には菅野智之から青木・山田哲人ウラディミール・バレンティンが三者連続本塁打。アルバート・スアレスが来日初勝利。30日DeNA戦(横浜)では延長10回表に荒木貴裕のタイムリーで平成最後の試合を白星で締め首位巨人と0.5差の2位で平成を終えた。
逆転勝利が多かったことの裏返しでもあるが,先発に白星がついたのは6試合。28試合中先発投手が6回を投げ切ったのは半数に満たない13試合。16勝のうち五十嵐5勝,マクガフ2勝,石山泰稚近藤一樹デーブ・ハフがそれぞれ1勝。大下佑馬中尾輝風張蓮がイニング跨ぎかつ連投など早い時期にしわ寄せがいっていたのも事実。

元号が令和と改まった5月。令和初の神宮での試合となった6日阪神戦(神宮)。前日5日中日戦(ナゴヤドーム)で死球を受け登録抹消となった上田剛史の代わりに昇格した山崎晃大朗のタイムリーで先制すると,4月迄に7セーブを挙げながら上半身のコンディション不良を訴えこの日離脱した石山の代役守護神に任命された梅野雄吾がプロ初セーブを挙げた。10日巨人戦(東京ドーム)で渡邉大樹がプロ初安打・初本塁打・初打点。11日巨人戦(東京ドーム)で石川雅規が6試合目の登板で今季初勝利を挙げ,自身のプロ入りからの連続勝利を18年に延ばす。12日巨人戦(東京ドーム)では村上が第107代四番打者に抜擢される。しかしこの試合で西浦が下半身のコンディション不良を訴え途中交代。
ここから悪夢の16連敗が始まった。ショートに太田賢吾廣岡大志奥村展征を日替わりで起用せざるを得なくなり攻守ともに西浦不在の影響を痛感することになった。廣岡に至っては6月13日東北楽天戦(楽天生命パーク)まで1969年浜村健史(西鉄)と並ぶ開幕からの連続打席無安打記録「41」のプロ野球ワースト記録に並んでしまう。14-15日広島戦(マツダ)に連敗。17-19日DeNA戦(神宮),21-23日阪神戦(甲子園),24-26日中日戦(神宮),28-30日広島戦(神宮)と4カード連続同一カード3連敗。31日DeNA戦(横浜)にも敗れ1970年以来球団史上3回目となる15連敗。
結局5月は球団史上ワーストタイとなる月間5勝。借金10となり最下位に転落した。ドラフト7位久保拓真がプロ初登板を果たした28日広島戦(神宮)で五十嵐が史上7人目となる通算800試合登板を達成。青木がNPB通算100号本塁打(史上292人目)を17日DeNA戦(神宮)で,NPB通算1500安打(史上126人目)を22日阪神戦(甲子園)でそれぞれ達成した。

6月1日DeNA戦(横浜)。連敗ストップをプロ初登板初先発となるドラフト1位清水昇に託したものの,とうとう球団史上ワーストタイかつセ・リーグワーストタイとなる16連敗。2日DeNA戦(横浜)。初回2死満塁から大引啓次の走者一掃となる二塁打が,リーグの連敗ワースト記録更新を阻止する大きな一打となり,チームは5月12日巨人戦(東京ドーム)以来21日ぶりとなる勝利をつかみ,前年勝率1位となった交流戦に突入した。それでも流れは変わらなかった。
8日オリックス戦(神宮)に敗れ,1970年以来これまた球団ワーストとなる神宮球場で1分を挟んで11連敗。三塁守備に不安を残す村上を一塁に固定し,藤井亮太宮本丈を三塁で起用するなど試行錯誤を繰り返した。18日ソフトバンク戦(神宮)で1970年以来となる12カード連続初戦黒星を喫する。このまま交流戦は全カード1勝2敗。前年(12勝6敗)と真逆となる6勝12敗。リーグ戦再開初戦となった29日巨人戦(秋田)にも敗れ,15カード連続初戦黒星。早くも自力優勝の可能性が消滅した。
このようなチーム状態もあって若手の起用も目立つように。ドラフト2位中山翔太が9日オリックス戦(神宮)でプロ初打席・初安打・初打点。16日埼玉西武戦(メットライフ)にはプロ初本塁打。同8位吉田大成が24日オリックス戦(神宮)でプロ初安打・初打点。21日ロッテ戦(神宮)で蔵本治孝がプロ初登板。山田は30日巨人戦(秋田)で史上300人目となる通算1000本安打を達成した。

7月2日広島戦(マツダ)。5月6日阪神戦(神宮)以来実に16カードぶりとなるカード初戦白星。この試合で大村孟がプロ初本塁打を放った。8日DeNA戦(神宮)には山田大樹がソフトバンク時代の2017年6月11日阪神戦以来となる移籍後初勝利。首位とは15.5差の最下位でオールスターを迎えたが,7月に入って6勝2敗と浮上の兆しをみせていた。
しかしオールスター明け最初のカードとなった17日巨人戦(神宮)でセカンドベースカバーに入った西浦が重信慎之助と交錯し負傷交代。骨折が判明し復帰から僅か6試合で再び戦線離脱。8月9日には自力でのクライマックスシリーズ進出可能性が消滅した。
チームとしてのモチベーションを保つのが難しくなると,打撃で高いアベレージを残してきた中村悠平に対するリード面への風当たりも強くなり,西田明央井野卓古賀優大との併用も目立つようになっていく。

8月8日阪神戦(神宮)で五十嵐が史上4人目となる日米通算400試合登板達成。13日DeNA戦(神宮)ハフが来日初セーブ。23日DeNA戦(神宮)では山田哲が日本新記録となる33回連続盗塁成功。開幕からの連続盗塁成功記録も1964年広瀬叔功に並ぶ歴代1位となる31回までのばした。連続盗塁成功記録は9月14日DeNA戦(横浜)で38でストップした。同日に大引が史上302人目の通算1000本安打。デービッド・ブキャナンは8月5試合に登板して3勝0敗,防御率1・64の成績で月間MVPを受賞した。

9月4日広島戦(神宮)では山田哲が史上106人目通算200号本塁打を劇的なサヨナラ満塁本塁打で決めた。同日川端が史上504人目通算1000試合出場。7日巨人戦(神宮)に敗れクライマックスシリーズ進出可能性が完全に消滅。2年ぶりのBクラスが確定した。10日阪神戦(甲子園)の試合前に小川監督,宮本慎也ヘッドコーチの今季限りでの退団が発表された。18日阪神戦(甲子園)の敗戦をもって2年ぶりの最下位が確定。シーズン最終戦となった28日巨人戦(神宮)で小川が史上356人目通算1000投球回をクリアした。

若い力も台頭した。村上はチームで唯一全143試合に出場。高卒2年目以内では1953年西鉄ライオンズ中西太と並ぶ歴代最多タイの36本塁打。96打点は同氏の記録を更新し歴代最多記録を打ち立てた。また年間184三振でセ・リーグ記録を更新した。
8月25日阪神戦(神宮)でドラフト4位坂本光士郎がプロ初ホールド。31日中日戦(ナゴヤドーム)で平井諒が2016年8月25日中日戦(神宮)以来1101日ぶりの勝利投手に。9月15日広島戦(マツダ)で田川賢吾がプロ初勝利。9月19日阪神戦(甲子園)で塩見泰隆が,9月22日巨人戦(神宮)で松本直樹がプロ初本塁打。9月25日中日戦(ナゴヤドーム)でドラフト4位浜田太貴がプロ初出場。登板こそ無かったがドラフト3位市川悠太も一軍登録された。高橋奎二はほぼ一年間ローテーションを守り4勝。打っても4月14日巨人戦(東京ドーム)でプロ初安打,8月4日中日戦(神宮)でプロ初打点と打撃でも非凡なセンスを見せている。

3年目を迎えた寺島成輝は登板3試合のみ。星知弥は下半身のコンディション不良などもあり10試合で1勝3敗,防御率8.53と結果を残せずにいる。ベテランの山中浩史は4試合の登板にとどまり,5年ぶりに未勝利に終わった。中澤雅人はファームではチーム最多の43試合に登板したが一軍登板は1試合のみ。高卒2年目金久保優斗,ドラフト6位鈴木裕太は来季の一軍デビューを目指す。育成契約の日隈ジュリアス内山太嗣,松本友はいずれも支配下登録には至らなかった。

監督代行時代も含め,2度の任期で計7シーズン3回のAクラス入りは,球団史上では野村克也監督(5回),若松勉監督(4回)に次いで3人目。一方で3度の最下位は,監督としては球団史上最多となった小川監督に代わり,高津臣吾二軍監督が新監督に就任することになった。

【表1】セ・リーグ順位表
順位チーム試合勝数敗数引分勝率勝差得点失点本塁盗塁打率防御率
1巨 人14377642.54666357318383.2573.77
2DeNA14371693.5075.559661116340.2463.93
3阪 神14369686.5040.553856694100.2513.46
4広 島14370703.5000.559160114081.2543.68
5中 日14368732.4822.55635449063.2633.72
6ヤクルト14359822.4189.065673916762.2444.78

原辰徳監督が5年ぶりに現場復帰した巨人が5年ぶりの優勝を果たした。2年連続で沢村賞に選出された菅野智之が腰痛やコンディション不良で3度登録抹消されたが,山口俊が牽引。最多勝・最多奪三振・最高勝率のタイトルを獲得。MVPには攻守でチームを支えた坂本勇人。FA移籍1年目の丸佳浩は89打点,岡本和真は31本塁打94打点。リーグトップの663得点,183本塁打の攻撃型打線が機能した。
2位にはDeNA。チーム防御率3.93はリーグ5位ながら,エスコバーがリーグ最多の74試合,三嶋一輝がリーグ2位の71試合に登板。2年連続セーブ王となった山崎康晃までリードを保ったままバトンを渡そうという姿勢がアレックス・ラミレス監督の継投に現れていた。来日2年目のネクタリ・ソトが43本塁打を放ち2年連続本塁打王に。108打点で打点王のタイトルも獲得した。
シーズン最終盤怒涛の6連勝で最終戦で3位に滑り込んだ阪神。チーム防御率3.46は12球団ナンバーワン。先発で2けたの勝利を挙げたのは移籍1年目の西勇輝のみ。光ったのは強力なブルペン陣。岩崎優(1.01),ジョンソン(1.38),島本浩也(1.67),藤川球児(1.77),ドリス(2.11)などリリーフ全体の防御率は2.70。矢野耀大新監督は積極的に若手を起用。ルーキーの近本光司が36盗塁で盗塁王に輝いた。
5月には20勝4敗 勝率.853と圧倒的な強さを見せていたものの,4年ぶりにBクラスに転落した広島。3連覇を支えてきたリリーフ陣に勤続疲労の色が隠せなかった。打線も不動の3番だった丸が抜けたことで打順が固まらず,得点は昨年の721から591と130点も減らした。8月半ばにはバティスタがドーピング違反で出場停止処分に。緒方孝市監督はシーズン後に辞任を発表した。
昨季0勝に終わった大野雄大がリーグトップの防御率2.58。ロドリゲスが44ホールドで最優秀中継ぎ投手。打率10傑にダヤン・ビシエド,大島洋平,高橋周平,阿部寿樹の4名が名を連ね,リーグトップのチーム打率.263。さらに12球団最少の45失策で守備率.992でセ・リーグ記録を更新しながらも5位に終わった中日。与田剛監督が投打を上手く束ねれば不気味な存在となっていくのではないか【表1】

チーム成績
【表2-1】チーム月別成績
通産
試合勝数負数引分勝率順位打率本塁得点失点防御勝率順位
33120.3334.1440340.99.3334
4251591.6251.270381431214.50.5932
5265201.2006.21824951545.35.4046
6227150.3185.23423911194.86.3786
7219120.4295.24018911014.65.3896
82712150.4446.268431401334.53.4026
9191090.5263.24321931075.50.4186
14359822.4186.2441676567394.78.4186

4月は巨人の14勝9敗 勝率.609をも上回るリーグトップの成績だった。しかし5月は月間20敗で球団ワーストタイ記録。【表2-1】

【表2-2】チームホーム/ビジター別成績
試合勝数敗数引分勝率得点失点本塁盗塁打率防御率
ホーム7128412.4063214009127.2485.12
ビジター7231410.4313353397635.2414.45

ホームでの負け越しは2年ぶり。ホームの勝率.406は2017年の.429よりも低い数字。神宮球場での負け越しは11。神宮球場での11連敗以上は,1965年6月25日大洋戦から同8月3日広島戦にかけての17連敗,1970年7月12日中日戦から同8月25日中日戦にかけての14連敗に次いで49年ぶり3度目【表2-2】

【表2-3】チーム曜日別成績
試合勝数敗数引分勝率得点失点本塁盗塁打率防御率
月曜日8530.6253839134.2434.01
火曜日238150.348103123275.2444.87
水曜日2511122.4781391182814.2634.20
木曜日199100.47497832212.2464.26
金曜日183150.167631241810.2306.32
土曜日2610160.3851021402810.2295.06
日曜日2413110.542114112317.2504.59
14359822.41865673916762.2444.78

勝率ワーストは金曜日。令和最初の金曜日である5月第1週に勝利してから12連敗。中止や移動日の関係で17週間勝ちが無く,9月第1週でようやく連敗を止めた。日曜日は8月第3週より5連勝中【表2-3】

【表2-4】チーム年度別成績推移直近10年間 ※()はリーグ順位

試合勝数負数引分勝率勝差順位得点失点本塁打盗塁打率防御率
201914359822.41818.06656(2)739(6)167(2)62(5).244(6)4.78(6)
201814375662.5327.02658(2)665(6)135(4)68(4).266(1)4.13(4)
201714345962.31944.06473(6)653(6)95(6)50(5).234(6)4.21(6)
201614364781.45125.55594(2)694(6)113(4)82(2).256(2)4.73(6)
201514376652.539-1.51574(1)518(4)107(2)83(3).257(1)3.31(4)
201414460813.42621.06667(1)717(6)139(3)62(5).279(1)4.62(6)
201314457834.40728.56577(3)682(5)134(2)70(4).253(4)4.26(5)
2012144686511.51120.03499(2)514(5)90(2)63(4).260(1)3.35(5)
2011144705915.5432.52484(1)504(5)86(3)43(5).244(3)3.36(5)
201014472684.5146.54617(3)621(3)124(3)66(4).268(2)3.85(2)

攻撃陣の656得点,167本塁打はいずれもリーグ2位。一方でチーム打率は昨季のリーグトップの.266からリーグワーストの.244に転落。しかし得点は昨年とほぼ同数の656でリーグ2位。アウトになっても得点を増やすという考えは浸透したように感じる。得点圏打率が.284と低く,昨季9度あった3点差以上の逆転勝ちの試合は9試合から4試合に減少した。
失点,防御率はいずれもリーグワースト。防御率4.78は1984年の4.76を0.02下回り球団史上ワーストの数字。クオリティースタートの回数はリーグワーストタイの53度。ペナントレースから早々に離脱したイメージがあるが,首位とのゲーム差で比較すると,同じく最下位となった2013年,2014年,2017年よりも小さく,3位となった2012年よりも小さかった。リーグとしての戦力は均衡していたと言えるのだろうか【表2-2】

【表3】チーム別対戦成績
巨 人DeNA阪 神広 島中 日西 武ソフト楽 天ロッテ日ハムオリク
試合2525252525333333143
勝利11109121111111159
敗戦141514131422222282
引分002000000002
得点13210910013599131216131215656
失点14512797137133261413221015739
安打2451972022061923024251923181181
本塁3530203131443333167
三振2162102282072062228282719211212
四球971009011489121017151115570
死球11711101100211256
併殺1919301112521222105
盗塁1017681500212162
失策151022192041201397
打率.281.235.241.241.228.294.238.243.209.225.198.244
防御5.204.953.504.965.138.284.333.607.333.044.004.78

史上初の全11球団負け越しも記録した。2005年の交流戦開始以降これまでの記録は2016年オリックスでヤクルト以外の10球団に負け越した。創設初年度の2005年東北楽天は中日に,2009年横浜はヤクルト,2011年横浜はロッテにそれぞれ勝ち越していた。勝ち越し球団が0だったのは2008年と2010年の横浜。当時は交流戦が4試合制で2勝2敗のカードがあり,全11球団負け越しは免れていた。【表3】

【表4】守備成績
中日が5373の守備機会で45失策。守備率.992。2004年中日の.991を抜きセ・リーグ新記録を更新した。シーズン45失策は2004年中日に並ぶセ・リーグ最少タイ。守備率のプロ野球記録は2017年ソフトバンクの.993。ヤクルトの失策数は97。内訳は村上15(内訳:三塁・10,一塁・5),廣岡と太田が13,奥村と山田が8と内野手が上位を占めた。記録にならない失策も多く失点につながった【表4】
チーム守備率試合守機備会刺殺補殺失策併殺捕逸
参加球団
中 日.992143537338071521453241177
DeNA.9881435382382214956531511611
巨 人.9871435385383814757232011710
広 島.984143541038411482873181182
阪 神.9821435648386916771024161498
ヤクルト.982143535438101447973241175


【表5-1】交流戦順位表
試合勝数負数引分勝率得点失点本塁盗塁打率防御率
1福岡ソフトバンク181152.68875613216.2333.16
2オリックス181161.6477364821.2573.42
3巨 人181170.61185662315.2573.34
4横浜DeNA181071.5887270227.2423.86
5埼玉西武181080.55699791814.2704.14
6東北楽天181080.5567371135.2503.81
7北海道日本ハム18891.4716981149.2504.19
8中 日188100.444787977.2654.38
9千葉ロッテ188100.44487932312.2684.84
10阪 神186102.3757477917.2483.29
11東京ヤクルト186120.33381100206.2365.08
12広 島185121.29459841311.2163.85


【表5-2】交流戦通算成績[2005-2019]
通算[2005-2019]試合勝数負数引分勝率勝差
1福岡ソフトバンク35421412614.629
2北海道日本ハム35418615711.54229.5
3千葉ロッテ35418415614.5410.5
4巨 人3541811649.5255.5
5埼玉西武3541781697.5134.0
6オリックス35417317110.5033.5
7中 日35417117310.4972.0
8阪 神35416517613.4844.5
9東北楽天3541631874.4666.5
10東京ヤクルト3541611858.4650.0
11広 島35414919312.43610.0
12横浜DeNA3541392078.40212.0

今年も58勝46敗4分とパ・リーグが「12」の勝ち越し。10年連続14度目の勝ち越しとなった。優勝は11勝5敗2分のソフトバンクで,12球団断トツの8度目の制覇。MVPには全18試合に出場し打率.348,7本塁打,14打点をマークしたソフトバンクの松田宣浩。日本生命賞としてパ・リーグから鈴木大地(ロッテ),セ・リーグから柳裕也(中日)が選出された。セ・リーグの勝ち越しは11勝7敗の巨人,10勝7敗1分のDeNAのみ。【表5-1】。交流戦通算でも東北楽天に1厘及ばず再び10位となった【表5-2】

DATE2019〜PLAY BACK 16連敗
5月14日広島戦(マツダ)からの16連敗。1970年に作ったセ・リーグのワースト記録に並んだ。プロ野球記録は1998年にロッテが記録した18連敗。この時のロッテは1引き分けを挟んでおり,引き分けを挟まない16連敗も1970年と並ぶ最長記録。連敗前は貯金5の2位につけていながら,一気に6位まで転落した。
心身とも「金縛り」 ヤクルト、泥沼の16連敗―野球クローズアップ
 グラウンドから引き揚げる途上、やじではなく激励の声が飛び交う。だからこそ、ヤクルトの山田哲は唇をかんだ。「びっくりするほど、かみ合っていない」。投打の悪循環は顕著だった。
 5月26日の中日戦。9試合ぶりに先制し、三回には青木、山田哲、バレンティンが3者連続ソロ。ところが先発の高梨が5回9失点と崩れ、逆転負けで11連敗。5月14日の広島戦から始まった黒星街道は、1970年にヤクルトが記録したセ・リーグワーストに並ぶ16連敗まで伸びた。

 連敗中の2点差以内の負けは9試合。「惜しいではなく、力がないだけ」と小川監督。先発が早々と崩れ、救援陣は疲弊。打線はあと1本が出ず、ミスも続出。地力の乏しさは接戦の中で浮き彫りになった。
 天候にも泣いた。昨季は阪神が大雨の影響で日程の消化に苦労。球団幹部によると、セ6球団は屋外球場の雨天順延を見越し、今季終盤に余裕を持たせることで合意した。ヤクルトも序盤に地方開催からの転戦など試合を詰め込んだが、6月上旬まで中止はなし。状態は落ち、故障も相次いだ。

 ベンチにお守りや塩、37歳の青木は丸刈りになった。験担ぎにまで走り、宮本ヘッドコーチは「力を出せる精神状態ではなかった」と振り返る。「狙い球に手が出ない」と話す選手もいたほどだ。衣笠球団社長の言う「金縛り」が解けたのは、月が変わった6月2日のDeNA戦だった。

 歯車は戻らず、リーグ最下位。体制は一新され、高津新監督は「せっかくこれだけ負けたのだから、いい意味で悔しさを生かしてほしい」と願う。本当のトンネル脱出は、来季に持ち越されている。(肩書は当時)。[ 12/7(土) 7:36配信 時事通信 ]

今一度16連敗をここに振り返ってみる。
@5月14日広島戦(マツダ)
S 002 200 000 4
C 102 040 11x 9
●原(2-3)42/3,ハフ1/3,大下11/3,中尾2/3,風張1−中村,松本直 ○レグナルト

A5月15日広島戦(マツダ)
S 201 001 300 0 7
C 010 010 014 2x9
スアレス1,H大下1,Hマクガフ3,Hハフ1,近藤1,五十嵐1,梅野1,●中尾1/3−中村 ○中崎

B5月17日横浜DeNA戦(神宮)
B 003 100 000 4
S 000 100 200 3
●小川(1-5)7,ハフ1,五十嵐1−中村,井野 ○今永
青木6号@(今永)

C5月18日横浜DeNA戦(神宮)
B 102 030 500 11
S 000 300 300 6
●石川(1-2)41/3,五十嵐2/3,大下2,中尾1,風張1−中村 ○上茶谷
村上11号B(上茶谷)バレンティン9号A(エスコバー)

D5月19日横浜DeNA戦(神宮)
B 000 410 002 7
S 000 000 000 0
●高梨(4-3)5,風張12/3,中尾11/3,屋宜1−井野,西田 ○濱口

E5月21日阪神戦(甲子園)
S 010 000 100 2
T 100 200 00x 3
●原(2-4)6,ハフ1,マクガフ1−中村 ○青柳
村上12号@(能見)

F5月22日阪神戦(甲子園)
S 000 100 001 2
T 010 000 20x 3
高橋5,H近藤1,●ハフ(1-1)1,五十嵐1−中村 ○藤川
バレンティン10号@(岩田)

G5月23日阪神戦(甲子園)
S 000 000 000 0
T 000 000 001x1
ブキャナン6,H近藤2/3,Hハフ2/3,●マクガフ(2-1)1−中村 ○ドリス

H5月24日中日戦(神宮)
D 002 010 120 6
S 000 000 100 1
●小川(1-6)6,五十嵐1,中尾1,風張1−中村 ○勝野
バレンティン11号@(勝野)

I5月25日中日戦(神宮)
D 101 101 150 10
S 101 000 100 3
●石川(1-3)4,近藤1,ハフ1,マクガフ12/3,風張1/3,梅野1−中村 ○柳
青木7号@(柳)山田哲10号@(柳)太田2号@(マルティネス)

J5月26日中日戦(神宮)
D 020 250 001 10
S 303 020 000 8
●高梨(4-4)5,五十嵐1,近藤1,マクガフ1,梅野1−中村 ○小熊
青木8号@(清水)山田哲11号@(清水)バレンティン12号@(清水)

K5月28日広島戦(神宮)
C 013 300 010 8
S 100 500 010 7
●原(2-5)31/3,久保2/3,五十嵐1,ハフ1,近藤1,マクガフ1,梅野1−井野,中村 ○レグナルト
山田哲12号@(野村)村上13号@(野村)

L5月29日広島戦(神宮)
C 200 030 000 5
S 300 000 000 3
●高橋(0-2)42/3,五十嵐1/3,近藤2,久保1,風張1−中村 ○大瀬良
村上14号B(大瀬良)

M5月30日広島戦(神宮)
C 300 133 102 13
S 000 000 000 0
●小川(1-7)41/3,久保2/3,風張2,山中2−中村 ○山口

N5月31日横浜DeNA戦(横浜)
S 000 000 020 2
B 100 000 20x 3
●ブキャナン(1-2)6,マクガフ1,ハフ1−中村,西田 ○今永

O6月1日横浜DeNA戦(横浜)
S 000 000 000 0
B 050 020 00x 7
●清水(0-1)4,山中2,風張2−中村,古賀 ○上茶谷

1点差試合が6試合,2点差が3試合。原因は先発投手の不振。16連敗中先発投手が連敗中QSを達成したのはわずかに4回。先発が全く試合を作れずに早々に降板することでリリーフ陣にしわ寄せがいった。連敗期間中の投手運用をまとめたものが【表6】となる。
【表6】16連敗中の投手運用一覧○:登板時リード△:登板時同点 ●:登板時ビハインド *:イニング跨ぎ
連敗日付相手スコア先発投手ハフマクガフ風張五十嵐近藤梅野中尾大下久保山中屋宜石山
5/12巨人4-1高梨
15/14広島4-9●*
25/15広島7-9スアレス○*
35/17DeNA3-4小川
45/18DeNA6-11石川●*
55/19DeNA0-7高梨●*●*
65/21阪神2-3
75/22阪神2-3高橋
85/23阪神0-1ブキャナン△*
95/24中日1-6小川
105/25中日3-10石川●*
115/26中日8-10高梨
125/28広島7-8
135/29広島3-5高橋●*
145/30広島0-13小川●*●*
155/31DeNA2-3ブキャナン
166/01DeNA0-7清水●*●*
6/02DeNA5-2
1198876533211


スアレスにアクシデントがあったが,ブキャナンと入れ替えることで先発投手の頭数は揃っていたが,小川の間隔を詰め,プロ初登板の清水に連敗ストップを託し,挙句原を中4日起用。コンディション不良で6月18日ソフトバンク戦(神宮)の登板を最後に戦列を離れ,「まだその段階にいたってない」と更なる長期離脱が予想される事態を招いた。梅野,風張以外は役割が明確化されておらず,どの投手がどの場面で行くのか手探りの状態では,攻撃陣にも負の連鎖反応を起こすのも必然か。
それに輪をかける守備の乱れ。さらに本塁打でしか点が取れない打線。得点圏打率の異常な低さ。下位打線の弱さ。連敗による焦燥感。これらが融合し泥沼にハマった感がある。

おわりに〜2019シーズンに向けて
長年にわたって投打でヤクルトを支えてきた館山昌平畠山和洋三輪正義,さらに寺原と4選手が今季限りでの現役引退を表明した。村中恭兵岩橋慶侍屋宜照悟沼田拓巳山川晃司,大引,ブキャナン,ハフが退団。バレンティンはソフトバンクへの移籍が決まった。

ドラフト会議では,1位指名で3球団が競合した夏の甲子園準優勝投手奥川恭伸(星稜高・投手)を引き当てた。2位からは吉田大喜(日本体育大・投手)杉山晃基(創価大・投手)大西広樹(大阪商業大・投手)と即戦力と期待する大学生右腕を指名。5位からは長岡秀樹(八千代松陰高 ・内野手)武岡龍世(八戸学院光星高・内野手)と将来性豊かな内野手を指名した。
メジャーで55試合に登板したガブリエル・イノーア(前オリオールズ),同じくメジャー36試合登板のマット・クック(前ダイヤモンドバックス),東北楽天から戦力外通告を受けた今野龍太,千賀滉大・甲斐拓也らを輩出してきたソフトバンク育成の長谷川宙輝と投手を中心に補強。
さらに楽天から減額制限を超える年俸ダウン提示を受け自由契約となった嶋基宏を獲得。選手層に厚みを持たせるだけでなく,若い投手陣の育成にも好影響が期待される。
野手ではメジャー通算1367安打,174盗塁を記録したアルシデス・エスコバー(前ホワイトソックス傘下3A)を獲得した。

田畑一也投手コーチ,橋上秀樹二軍チーフコーチは退任し,それぞれ独立リーグ富山サンダーバーズで監督,アルビレックス新潟BCで総合コーチを務めることになった。石井琢朗打撃コーチは巨人一軍野手総合コーチ,北川博敏二軍打撃コーチは阪神二軍打撃コーチに就任した。
小川前監督は2020年1月1日付で,球団史上初となる編成面と運営面を管理するゼネラルマネジャー(GM)職に就任することになった。

宮出隆自打撃コーチがヘッドコーチに。メジャー経験のある斎藤隆投手コーチを新たに招聘し,石井弘寿投手コーチと投手陣立て直しを図る。打撃は杉村繁巡回コーチと松元ユウイチ二軍打撃コーチ。森岡良介二軍内野・守備走塁コーチが内野守備走塁コーチに。河田雄祐外野守備走塁コーチ,衣川篤史バッテリーコーチは留任。
ファームは池山隆寛二軍監督を迎え,福地寿樹二軍外野守備・走塁コーチがチーフコーチに昇格。小野寺力松岡健一二軍投手コーチは留任。今季限りで現役を退いた畠山と大松尚逸が二軍打撃コーチに就任。土橋勝征内野守備コーチが配置転換で二軍内野守備走塁コーチへ。北海道日本ハムから緒方耕一二軍外野守備走塁コーチを招聘した。福川将和二軍バッテリーコーチは2年目を迎える。

チームスローガンは「辛いことや苦しいこと、色々な思いがあるけど常に前を向いて闘っていこう」というメッセージが込められた「NEVER STOP 突き進め!」に決まった。
slogan2020.png
高津監督は巻き返しを期す来季へ「自分は少しでも野球がうまくなりたいと思ってやってきた。立ち止まっていては駄目。選手が少しでも成長できるように」と向上心を持つことの重要性を強調した。

東京五輪が開催される2020年は,メインスタジアムの新国立競技場に隣接する神宮球場が,五輪開催に伴い関係者や来賓の待機場所,資材置き場として使用されるため,7月6日〜9月13日まで使用できない。このため7月上旬から9月上旬にかけて,主催試合を東京ドームで4カード計11試合行うことになる。さらに五輪期間中は7月21日〜8月13日まで公式戦が中断されるという極めて特殊なシーズン日程となるが,これが各球団どう影響するのだろうかは全く見通せない。

参考資料
『週刊ベースボール』第74巻 第61号 通産3620号,ベースボールマガジン社,2019.12
「ニッカンスコア速報」
https://www.nikkansports.com/baseball/professional/schedule/s03.html
https://www.nikkansports.com/baseball/professional/schedule/s04.html
https://www.nikkansports.com/baseball/professional/schedule/s05.html
https://www.nikkansports.com/baseball/professional/schedule/s06.html
https://www.nikkansports.com/baseball/professional/schedule/s07.html
https://www.nikkansports.com/baseball/professional/schedule/s08.html
https://www.nikkansports.com/baseball/professional/schedule/s09.html
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http://baseballdata.jp/
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