ヤクルトの増渕竜義投手(25)と日本ハムの今浪隆博内野手(29)の交換トレードが成立し、31日に両球団が発表した。内野手が手薄なヤクルトと、中継ぎの強化を図る日本ハムの思惑が一致した。今浪の背番号は59。増渕は未定。
増渕は埼玉・鷲宮高から高校生ドラフト1巡目で、2007年にヤクルト入団。通算157試合に登板し、15勝26敗。
今浪は京都・平安高(現龍谷大平安高)から明大を経て、大学生・社会人ドラフト7巡目で07年に日本ハム入団。通算223試合で89安打、打率2割3分7厘。[ 時事通信 3月31日(月)10時23分配信 ]
開幕3日後のトレードとなりました。
22.増渕竜義
公立の星として埼玉県を沸かした鷲宮高校。そのエースが増渕だった。甲子園出場こそ叶わなかったが,その素材を高く評価され,2006年の高校生ドラフトで,地元埼玉西武とヤクルトが1位指名で競合。古田敦也監督(当時)が増渕を引き当てた。
増渕の母親がヤクルトレディという縁もあり,スワローズ志望が叶ったとも伝えられた。背番号は増渕の生年にちなんだとも言われる「63」が与えられた。
高卒ルーキーながら即戦力と評価も高く,一軍キャンプスタート。オープン戦では5試合で防御率1.29と結果を残し,開幕ローテーション入りを果たした。
4月7日対広島2回戦(神宮)で,プロ初登板初先発。
7回を投げ打者26人に86球,被安打4(被本塁打1),奪三振5,与四球1,失点1,自責点1と素晴らしい投球を披露したが,同点のままマウンドを降りたため勝ち負けはつかなかった。しかし翌週15日,翌々週22日と連続してKOされてしまい二軍降格。シーズンも終盤となった9月26日に再び一軍登録即先発の機会を与えられた。
プロ5試合目の先発登板となった10月4日対横浜21回戦(神宮)。7回0/3イニング無失点でプロ初勝利をあげたが,この試合ではアレックス・ラミレスが右打者としてプロ野球史上初のシーズン200本安打を達成。さらには鈴木健の引退試合でもあったため,ヒーローインタビュー等もなくどちらかというと増渕の初勝利の印象は薄いものとなってしまった。このオフ退団した高津臣吾の背番号「22」へと変更となる。
監督交代もありチームが大きく変わった2008年。石川雅規,村中恭平,加藤幹典,ダニエル・リオスに次ぐ5人目の先発投手として開幕ローテーション入り。先発投手に余裕が出る交流戦期間の抹消もあったが,オールスターまでローテーションを守った。しかし7月27日に登録抹消されるとその後一軍登板無くシーズンを終える。
2009年はファームでの練習中に打球を顎に当て骨折。その影響もあり,この年の一軍登板は9月2日対阪神17回戦(甲子園)僅か1試合の先発登板に終わった。
プロ初の開幕一軍スタートとなった2010年。先発ではなく主に敗戦処理やロングリリーフとしてブルペン待機し結果を残すと,シーズン途中からはセットアッパーの一員に定着。自己最多の57試合に登板し20ホールドをマークするなどチームに欠かせない投手となった。
先発に再転向することになった2011年。東日本大震災の影響で延期された開幕後チームは4試合連続白星なし。チーム5試合目となる4月17日対横浜3回戦(神宮)で増渕が自身3年ぶりの先発白星を掴み,この年の初勝利を挙げた。自身最多の22試合に先発登板し,7勝(11敗)をマーク。シーズン終盤には赤川克紀の台頭もあり,いつしか長男・村中,次男・増渕,三男・由規,四男・赤川と高卒”ドライチ四兄弟”と呼ばれるようになっていた。
ところが2012年から便利屋扱いされるようになってしまう。中継ぎ→先発→中継ぎと起用法が定まらず,この年は最終的に49試合に登板したものの,防御率は5.38と振るわず。2013年はシーズンのほとんどをファームで過ごすこととなり,一軍登板は僅か5試合51/3インングの登板機会を与えられるにとどまっていた。
プロ8年目にして初のキャンプ二軍スタートとなった2014年。開幕直後に今浪隆博との交換トレードで北海道日本ハムファイターズに移籍することが発表された。
ここ数年伸び悩んでおり,環境を変えてあげるという意味合いもあるかもしれない。ヤクルトのドラフト1位は将来何らかの形で戻ってくるから,これも一つの勉強として新天地で同学年の斎藤佑樹,吉川光夫らと切磋琢磨して欲しい。
そしてようこそ59.今浪隆博。
内野のオールラウンドプレーヤーとして昨シーズンは91試合に出場した選手をあっさり放出できるのがハム流と言いますか・・なんとも言えない部分もあるのですが。
現在の野手事情としては,ユウイチが一塁と外野。岩村は一塁と三塁。田中浩は二塁のみ。あとは外野手の飯原,上田。足のスペシャリストで万が一の時には捕手もこなせる三輪ということで,本格的に遊撃を守れるのが森岡しか居ない。
ファームも川島慶三・谷内亮太が故障中で,主に二遊間をこなせる選手が野口祥順,荒木貴裕の二人しかおらず,この二人も一軍のショートでの起用にはリスクを伴うということで,「守れる人がいないと負担が掛かってきてケガにもつながりかねない。」という監督のコメントが全てを物語っていると思われます。
ただし今浪も左打ちということで,左右のアンバランスさがあるのも事実。
それでも北海道のファンに受け入れられたようなここ一番での勝負強さが今のヤクルトには必要なことだと思います。
今回のトレードで一番刺激を受けたのは森岡選手会長でしょう。同じ歳,同じ右投げ左打ちでかつ内野のユーティリティープレーヤー。俺じゃ物足りないのか!って奮い立たせるものがありますよね。。