第95回全国高校野球選手権大会は最終日の22日、甲子園球場で決勝が行われ、初出場の前橋育英(群馬)が延岡学園(宮崎)を4―3で破り、初優勝した。初出場での優勝は1991年の大阪桐蔭(大阪)以来で、群馬県勢の全国制覇は99年の桐生第一以来。
試合は3―3の七回、4番の荒井海斗主将が適時打を放って勝ち越し、2年生のエース高橋光成投手が完投した。延岡学園は宮崎県勢初の甲子園優勝を逃した。
今大会は花巻東(岩手)と日大山形(山形)を含む優勝経験のない4校が準決勝に進み、24年ぶりに東北2校が4強入りした。選手の健康に配慮し、準々決勝翌日に初めて休養日が設けられた。[ 時事通信 8月22日(木)17時38分配信 ]
清々しさとともに後味の悪さも残る大会になりましたかね。
まずは優勝前橋育英。おめでとうございます!
あの正田樹・一場靖弘を擁した桐生一高以来の群馬県勢の全国制覇。
そして初出場初優勝は1991年の大阪桐蔭以来。私が毎試合スコアをつけながら見るようになった大会がこの第73回大会でした。上田佳範の松商学園に魅せられて。星陵・松井秀喜が2年生で。優勝投手は背尾投手でしたよね。
今でこそ強豪と言われる大阪桐蔭ではありますが,激戦区大阪ということもあり,次に甲子園に出てくるまで11年要しました。
昨年まで群馬県大会でもベスト4が最高成績で,どちらかというとサッカー部が有名だった前橋育英が成し遂げた偉業。
父が監督。母が寮母。そして次男がキャプテン。荒井家にとって一生忘れる事の出来ない最高の2013年の夏になりましたね。
そして全国から目標とされる投手となった2年生エース高橋光成。灼熱の暑さの中ほぼ一人で投げ切った疲労は相当なものでしょう。
そんな中センバツを目指す秋季関東地区高等学校野球大会群馬県予選は9月7日には開幕してしまう。センバツで甲子園に帰ってくるには厳しいものがあるかと思います。もう一人の2年生投手喜多川くんがどうカバーするか。二人の力二人の争いが楽しみです。
悔やんでも悔やみきれないのは常総学院でしょう。9回2アウトまで勝っていた。最後のバッターはセカンドゴロで試合終了!だった訳ですから・・・
セカンド進藤くん。どんな大人になるかこれまた楽しみです。
東北勢の健闘も光りました。青森と言えば光星学院青森山田。山形と言えば酒田南。ここ数年大阪出身者で固められた高校が甲子園に出場してきました。
そうした高校を地元のメンバーだけで破った弘前学院聖愛そして日大山形。是非が問われることの多い野球留学生ではりますが,東北の高校野球のレベルを上げてきたこともまた事実なのかもしれません。
香川・丸亀。滋賀・彦根東といった公立の進学校が甲子園まで駒を進めてくることも夢があります。
そして花巻東。156センチの千葉くんが話題を集めました。俊足巧打も然ることながら,準々決勝の鳴門(徳島)戦では,相手投手が投じた163球のうち約4分の1の41球を投げさせたカット打法が全国の野球ファンの度肝を抜かされました。
それが一転・・・
セカンドベース上でサインを盗んでいる疑惑と,「高校野球特別規則・17」の「自分の好む投球を待つために、打者が意識的にファウルにするような、いわゆる“カット打法”は、そのときの打者の動作(バットをスイングしたか否か)により、審判員がバントと判断する場合もある」に抵触する可能性があるという高野連からの忠告。
身長というハンディを克服するために,どれだけ努力して自分のものにしてきたか。それを思うと無念でならないし,これで自分のプレースタイルを見失うようなことだけはしないでほしい。
イチローだって野茂だっライアン小川だって,独特のものを貫いてきたんだから・・。
ただ正々堂々プレーするという面では花巻東の指導方針は是正してほしいものです。それはどうやら悪しき伝統的なものらしいので。
2年生の活躍が目立った今大会。あの10.8決戦のあった1996年度に生まれた子達が,来年の夏どこまで成長してくるか。そして長野オリンピックのあった1997年度に生まれた子達がそれに続けるのか。
松坂と大魔神の横浜に沸いた1998年度。世紀末1999年度。ミレニアム2000年度。第100回大会へのカウントダウンも始まってますね(^^ゞ